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鈴木 哲; 大楽 正幸; 横山 堅二; 秋場 真人; 田辺 哲郎*; 中村 和幸
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.295 - 301, 1998/00
被引用回数:27 パーセンタイル:87.35(Nuclear Science & Technology)ITER用ダイバータ板の候補材料として有望視されているタングステンのディスラプション時における熱衝撃による損耗量を測定した。試料に与えた熱負荷は1000~2400MW/m,2ms,使用した装置は高熱負荷実験用電子ビーム装置(JEBIS)である。試験に供されたタングステンは、化学蒸着タングステン(CVD-W),焼結タングステン(A-W),単結晶タングステン(M-W)の三種類である。損耗量は高感度の天秤を用いて測定した。試験の結果、CVD-Wの損耗量が他の2つのタングステンより1/2~1/3程度小さいことが明らかとなった。この理由としては、含まれている不純物量が少ないこと、結晶粒が1/10~1/100程度に小さいことなどが考えられる。この結果から、CVD-Wは極めて高価格ではあるものの、低損耗材料であることから、ITER用ダイバータ板の表面材料としては有望と考えられる。
中村 和幸; 秋場 真人
プラズマ・核融合学会誌, 72(10), p.983 - 1030, 1996/10
本稿では核融合実験炉に向けた高Z材の開発状況について紹介する。ITERのプラズマ対向機器の一部に、化学蒸着タングステン(CVD-W)を使用する設計を日本は提案しており、現在そのための基礎データを収集している。熱伝導率、引張強度等の熱機械特性の測定をほぼ終え、中性子照射効果の測定準備を現在進めている段階である。また、基礎データ収集と並行して、小中型ダイバータ試験体を製作し、接合部等の健全性を熱サイクル試験を行うことによって確認している。現在、5MW/m、定常条件(ITERの定常運転条件)下で1000回の熱サイクルに耐えるダイバータ試験体の開発に成功している。今後は、大面積被覆や厚膜被覆(約5mm程度)等の課題を解決していく予定である。
佐藤 和義; 鈴木 哲; 荒木 政則; 中村 和幸; 渡邊 和弘; 横山 堅二; 大楽 正幸; 奥村 義和; 小原 祥裕; 秋場 真人
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.220 - 223, 1995/00
原研におけるITERプラズマ対向機器の設計及び工学R&Dの現状について報告する。ITERにおいてプラズマ対向機器は、プラズマからの高熱流束及び粒子負荷に対し健全性を維持しなければならない。このため、原研では炭素繊維強化炭素複合材料を用いたダイバータ試験体を用いITER加熱条件を上回る25MW/mの定常熱負荷に耐えることを実証した。また、材料研究の一環としてディスラプション条件を模擬した熱衝撃試験を実施した結果、CVD-Wを使用することに明るい見通しを得た。さらにベリリウム/銅合金接合体に対する機械試験の結果についても併せて報告する。